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「怖い!女って怖い!」
「ですよね。もう女とか恋愛とか懲り懲りです」
「んで?どうすんだ、お前」
「どうするって…」
「その骨」
俺は自分の身体を見下ろす。真っ黒に染まった骸骨の身体を。
「お前が黒くなったのはその恨みなんだろ?」
「ってネクロマンサーは言ってましたね。俺も死ぬ瞬間まで恨みの感情がありましたし」
「復讐、すんのか?」
何故か先輩の口調が歯切れ悪い。
「先輩?」
「あー、そりゃまぁ、恨みを抱いたままってのもアレだけどよ…けど、恨み晴らしてよ、その…未練とか、無くなっちまったら…」
「あぁ、成仏するかもって事ですか?」
「あ、いや!そりゃな?そりゃ、お前にしたらソレでいいかもしんねぇし、お前が満足するならいいと思うんだよ!」
「先輩…」
「…悪い…何かもう、マジで自己嫌悪だわ、俺…」
俺が成仏してしまったら。先輩はまたぼっちだ。今までのぼっちとは違う。失ったぼっち。それはただのぼっちよりも寂しくて辛いだろう。
「…大丈夫ですよ、先輩」
「後輩…?」
「今の俺には恨みだけじゃないですから。復讐して恨みが晴れても、たぶん成仏しませんよ。未練残りますからね」
「未練?」
「…せっかく、いい職場といい先輩に恵まれたんです。今、成仏なんてココに未練が残って出来ませんよ」
「…後輩ぃぃいいい!」
「あ、ちょ、痛い。先輩、骨同士が当たって痛いです」
「だな。あ、腕もげた」
「ちょ、先輩ー?!」
普通に拾ってくっつけてた。つくのかよ、骨。
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