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「タラララッタラー♪どーこーへーでーもーどーあー♪」
おいやめろ。一文字足せばセーフとか思ってんじゃねぇぞ。
つかドアじゃなくて門だろコレ。
「にひゃひゃ♪人間界へ百名様ごあーんなーい!」
旗振るな。ツアコンかよ。
「はい!皆さんご注目!右手に見えますのが領主の館でございマース!」
おーおー、デカい。
「そして!その前にずらりと勢揃いして待ち構えてるのが領主の私兵団!本日のメインイベントの食べ放題バイキング!」
…なるほど、ゾンビやミイラじゃなく喰屍鬼とスカルジャーで編成してあんのはソレが理由か。ヘタすると味方まで喰っちまうからな、コイツら。
「今日の奴らはあくまで餌!ゾンビにする予定は無いからねぇー。遠慮なく喰べちゃってー」
「ウォオオオオッ!」
焼肉食べ放題に来た体育会系みたいな雄叫びが上がる。
「肉!肉!生肉!」
「ごっつあんです!」
「喰うぞぉおおおらあああ!」
普段どんだけ飢えてんだコイツら。
「それじゃあ、いこうか!Ready…Go!」
「ウォオオオオッ!」
喰屍鬼が一気に最前線に躍り出た。普段トロいクセにこういう時は速い。喰屍鬼まっしぐら。
「後輩!」
「先輩」
「行くんだろ?付き合うぜ」
「…あざっす!」
俺は私兵団を切り払い、領主の館に向かって走る。追い縋る剣を先輩が薙ぎ払ってくれる。スカルジャーもだ。いや、これはネクロマンサーの助勢か。
『お邪魔虫は任せて、キミは真っ直ぐに進みなー』
頭の中にネクロマンサーの声がする。
いいさ。今だけはノッてやるよ。
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