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草むらの鋏
僕の祖母は田舎に住んでいた。
空気が綺麗で土の匂いがして...風が吹くと緑色の背丈の長い草がさわさわと揺れるのだ。
夏休みに遊びに行ったとき、いとこのお兄ちゃんと虫を取りに出かけた。僕は8歳、お兄ちゃんは11歳だった。
「ユウキ、ここの怖い話知ってるか」
「知らないよ、それに聞きたくない」
その場所は僕たちの秘密の場所だった。
腰までもある草がたくさん生えていて遊ぶのに最適だった。
「この場所には女の幽霊が出るんだ。大きなハサミを持っていてそれで首を、」
お兄ちゃんは話を途中で止めて、手で作ったチョキを目の前で動かして見せた。
「シャキン!!!って切っちまうんだって」
「そんなの嘘だ」
僕は内心震えたが、真夏の太陽が照りつける中で遊んでいるうちにそんな気持ちはすっかり消えてしまった。
やがて日が傾き始めたので、お兄ちゃんと草をかき分けながら歩き出した。
しかし、いつもなら5分もしないで目印の木が現れるはずなのに見つからない。
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