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夢うつつで、はっきりしない意識を無理矢理に呼び戻し、そしてゆっくりと起きあがった。
「 お姉ちゃん、早よ起きな!学校遅れるよ!」
ボクは、朝の気だるさを飲み込むように欠伸を噛み殺し、真横からかけられた声を目だけで追う。
そこに一人の見知らぬ、いや、
漫画などで見慣れた、妹像の少女が立っていた。
ここは... どこ....?
あ、また... 変わった、のか...
マジか... よ...
目覚めるとそこは、まったく見慣れない他人の世界になっていた。
「チーちゃん、お姉ちゃんは起きたー?」
「ママー、えり姉ちゃん、寝ぼけて起きてくれないの!」
そっか、この子は「えり」っていう名前なんだ。
「おはよう、もう起きるから... 」
彼女があまりにうるさいので、とりあえず、ボクはそう返事をする。
「みんなご飯もう食べたし、あとお姉ちゃんだけなんだからね!早く起きないと学校に遅刻しちゃうよ!」
そう言って、妹でチイと言う名の女の子は、強めに閉めたドアの音を残し、部屋から元気に出て行った。
ボクはこの現象を「夢転生」と名付けた。
発動条件は未だよくわかってない。
けれど過去の経験からすると、どうやら寝ている間に他人の意識に入り込んでしまうようだ。
朝起きると、他人を乗っ取ってしまっているのだ。
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