夢は夢のままで……

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目を覚ました僕は、体中汗まみれだった。 気持ち悪くて着替え、キッチンで冷蔵庫を開ける。 何か冷たいものが飲みたい。 冷蔵庫を物色していると……。 「具合はどうだ?」 おじいちゃんがいた。 「うん、まだちょっと怠いかな。」 「そうか。しっかり水分を取って、たくさん寝るんだぞ。」 おじいちゃんを見ていると、何故か先ほどの夢の光景が頭をよぎる。 「おじいちゃん……戦争って、どう……だったの?」 僕はこの時初めて、おじいちゃんに戦争について訊ねた。 おじいちゃんは、私の問いに驚いた表情を見せたが、すぐに険しい顔になり……。 「地獄、だったよ。」 そう、絞り出した。 「周りは焼け野原。他人の子を葬る苦痛……あんな思いは二度としたくないものだよ。」 そう言うと、おじいちゃんは居間へと消えた。 「他人の子を……。」 夢の中で僕を葬ろうと大きな穴に投げ入れた、あの青年。 あの苦悶に満ちた表情。 (おじいちゃんも、あんな思いをしたのか……) 僕は、布団に真っ直ぐ向かった。 この日は、何故かおじいちゃんの言いつけを素直に聞こう、そう思った。
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