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「おじいちゃん、戦争の時、何歳だった?」
翌日、僕はおじいちゃんに訊ねた。
「最近は戦争に興味があるのか?……そうだな、数えで21だったな。ばあさんと祝言を、って話だったから、よく覚えてるよ。」
やはり。
夢に出てくる青年は、おじいちゃんだ。
どうして、夢に出てくるのだろう?
そして、どうして僕は、おじいちゃんの過去のことを鮮明に夢に見るのだろう……?
不思議で、仕方なかった。
それからというもの、眠るたびに僕は『おじいちゃんの過去』の夢を見ることになり……
『竜吉さん』とはそのたびに会い、共に行動を取ることとなった。
この生活のなかで分かったこと。
『竜吉さん』は困った人を見過ごせない、正義感を持った青年だということ。
そして、肝心なことはなかなか口に出して言えない朴念仁だということだった。
(まるで、いまのおじいちゃんみたいだな……)
まぁ、おじいちゃんの昔の夢なのだから当然のことだが、竜吉さんは、おじいちゃんをそのまま若くしたような、そんな人だった。
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