終電車

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 謎の駅を黒猫について出ていき、後ろを振り返っても駅が見えなくなったところで、黒猫がくるりとこちらにふり返って話しかけてきました。 「危ないところでしたね、あのままあそこにいたら大変なところになっていたでしょう。きっと帰れませんでしたよ。」 「帰れないってどういうこと?ここは何なの?そしてあなたは一体・・・?」 三栖は、疑問に思っていたことを黒猫に聞きました。もう、彼女にとっては、理解しがたいことが次々と起こっていたのですから。 「まぁ、もうすぐ店につくので、説明は店主のスエダからあると思います。きっと今知りたい答えをくれるはずです。ほら、あそこに臙脂色の屋根が見えるでしょう?あれがスエダ雑貨店です。」 黒猫がそういいながら顔を向けた先には、臙脂色の屋根の少し古い一階建ての洋館が立っていました。壁は煉瓦でできておりその煉瓦は蔦でおおわれており、入り口の前に数段階段がついている三角屋根の洋館で、雑貨店という雰囲気ではありませんでした。 洋館の入り口前まで来ると、入り口の扉がひとりでに開きました。 すると黒猫が、 「さぁどうぞ、入ってください。」 と三栖に向かって言い、中に入っていきました。それについていくように三栖も中に入っていきました。
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