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「放っとけ!放っとけ!エルドラ、よくあんな口煩い秘書使ってるな。ーーさて!無事に終わった事だし呑みに行くぞ!」
カミルは立ち上がると酒場に向かって部屋を出た。まだオロオロしているアスランにエルドラが肩に手を置いてそっと自分の方に抱き寄せる。
「アイツなら大丈夫だ。あんな事で心折れるようなヤツじゃない。よし!俺らも行くぞ」
「うん。…分かった」
エルドラとアスランも部屋を出て、酒場に向かって行った。
「あー!もうっ!何なんですか!あの人は!」
カイエンは会社の上の部屋を掃除しながら独りごちていた。ブツブツと文句を言うカイエンもかなり貴重だ。
特に苦手なタイプの人間であったが、カイエンの小言にここまでハッキリと反論してくる人は今までなかった。だから余計にカイエンにとって癪に触るのだ。
「最低限って言うなら本当に最低限にしてやりますから!床にでも寝れば良いんです!あんな奴のどこを気に入ってエルドラ様はアスラン様の会社を任せる事にしたのでしょう!私なら絶対に無理です!」
文句を言いながらも手を休める事は一切無い。カイエンはどんどん綺麗になって整えられていく部屋に少し冷静になってきた。
「………流石に床は失礼ですかね…」
カイエンはもう一度部屋を片付け、そろそろ呑み終わったであろう主人達の元へ向かった。
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