Anfang《アンファング:発端》

11/11

255人が本棚に入れています
本棚に追加
/213ページ
散々呑んでいるとカイエンが来たので、興醒めすると文句を言って部屋に向かって歩いていた。 最後の最後まで『醒めたなら良かったですね。じゃあ、ここから一人で帰って下さいね』と小言付きで帰された。 ーー売り言葉に買い言葉でエルドラの秘書と喧嘩してしまったーー 「ホント、何なんだあの堅物秘書は!」 暗いなか会社に着き、少しフラフラになりながら階段を登って部屋に向かう。 「よくエルドラもあんな秘書使ってるな…あんな秘書オレは無理だな」 『あー無理無理!』と手を振って歩いて部屋に到着した。 部屋のライトを点けると本当にカミルは酔いが醒めた。 「マジかよ…」 最低限と言っていたが、部屋は完璧に整えられていた。 ベッド、テーブル、ソファだけではなくて、シャワールームにタオルなどが完璧に揃っていた。 「ここまで出来るのかよ…エルドラがアイツを秘書にする理由ちょっと分かったかも…でも!オレには無理だな」 カミルは整えられたベッドに横になった。シャワーは朝ゆっくり浴びるとして、今日はとにかく寝たかった。 「今度会ったら褒めてやるかな」 そうベッドで寝返りをしながら呟く。会社の譲渡も無事終わりホッとしたのもあるが、ベッドがいつもより寝心地が良い気がして直ぐに眠りについた。
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!

255人が本棚に入れています
本棚に追加