Seemann《ゼーマン:船乗り》

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カイエンはあんな大喧嘩をした相手に人としての魅力などこれっぽっちも感じなかった。更に経営もした事がないとなるとカイエンには不安要素しか残らない。 「まあ…それは暫くはお父上や兄上のお力添えをお願いすると言っていたが…」 「余りにも心配なので任せておけません。ーーーー私に行かせてください」 カイエンがエルドラにに向かって深々と頭を下げた。エルドラは驚いて目を見開いた。カイエンが自分から何かをしたいと言ってきたのが初めてだったからだ。 「ーーー本気で言っているのか?カイエン?」 「本気です。勿論、今まで通り仕事もきちんと行います。ですので…合間でも構いません!私に行かせて下さい」 暫く腕を組んで考えた後、エルドラは決断した。 「……お前が居なければ何も出来ない俺でもない。そこまで言うなら自分で見て来い」 「有難うございます」 カイエンはもう一度深くエルドラに頭を下げた。     
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