Anfang《アンファング:発端》

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結果、ガストニーの策略通り多額の賠償金が発生し、 ガストニーは会社を乗っ取り社長として会社を運営し、何も分からないヴァンフィールドの夫人と子供のアスランは僅かな金だけを持たされ街を追い出されてしまった。 それから8年後…ナギから遠く離れた街、ルズベリッジで幼馴染だったアスランとエルドラがまさかの再会をした。 アスランの過去を知ったエルドラはガストニーを捕らえ裁判の結果、ガストニーが奪った会社・資産・屋敷などは全てアスランに返される事になった。 そして、その会社を人手に譲る事にした…という話だ。 「それで…その譲り先というのは…?」 「ヴァンフィールド氏が生前懇意にしていた友人がいたらくてな、その息子に譲る事にした。その友人も同業者らしくてな…会社は長男であるそいつの兄達が継ぐ事が決まっている。こいつは三男で名前が…『カミル・G・アーレンス』だ。俺も親父も何度か会った事があるが…人は確かな奴だ」 「アーレンス氏…ですか」 「ああ…でもあいつは『氏』っていうイメージは無いな。アーレンスという感じもしないな…」 そう言ってエルドラはクックッと笑う。そうやって無邪気に笑う姿はまだ22歳の若者という幼さを感じた。 カイエンは23歳の時に当時20歳だったエルドラに秘書としてつく事になり、2年が過ぎようとしていた。 「それで…私もその譲渡の際に同行するのですか?」     
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