Seemann《ゼーマン:船乗り》

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3日後ーーー。 船が戻り、港に入港する。錨が下され桟橋がつけられると船員達は積荷を下ろし運んで行く。同時進行で次の出航に向けて船内の掃除を行う。潮風に当たる船体は手入れを怠るとすぐ傷んでしまうので、甲板は真水で綺麗にする必要がある。あとは船室の掃除もしなければいけない。船員達は全員休む暇もなく忙しなく動いていた。 カミルは船から降りて真っ先にカイエンを見つけ溜息をついた。 「まさか、入港に合わせて居るとは思わなかったわ…暇人なのか?エルドラの秘書の仕事はちゃんとしてるんだろうな?」 「暇人ではありませんよ。明日朝には戻ります」 「なら、今から帰れ!」 「こちらの仕事が終わればちゃんと帰ります。すみません…お借りしますね」 そう言って隣の船員が持っていたデッキブラシを持って甲板に上がっていった。『待って下さい!』とデッキブラシをもう一本持って来た船員がカイエンの後ろを追いかけて行った。 「おい!待て!」 甲板の方をみると船員と話しながら早速甲板を掃除しているカイエンが居た。『何がしたいんだよアイツは!』とカミルは頭をガシガシと掻きはじめた。     
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