Seemann《ゼーマン:船乗り》

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「すみません…社長。この間出航した後に、カイエンさんに『どういう仕事をするのかきちんと教えてほしい』って言われたんです…。それで…オレらついつい色々話したんです。それで…」 陸上での積荷下ろしが落ち着いた船員がカミルに説明した。 「『あんな馬鹿にど素人と言われるのは納得できません』…って言ってましたから。ーーーっ!って!痛いっ!なんでオレを殴るんですか!」 「あんな馬鹿って言ったからだ!」 「言ったのオレじゃないですよ…」 つい、『馬鹿』と言われた勢いで頭を叩いてしまった。もう一度甲板の方に目を向けるとデッキの掃除が終わり船室の掃除に取り掛かろうとしているカイエンが見えた。 「余計な事を……よし!とっとと終わらせて呑みに行くぞ!アイツにも来るように言っとけ!」 「はい!」 一旦会社に戻ると言ってカミルは歩き出した。 「あの堅物何考えてるんだか…まっ!ちゃんと働いてるみたいだし、しばらく様子見とするか…」 会社に戻るカミルの足取りは少しだけ軽く感じた。     
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