Seemann《ゼーマン:船乗り》

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カミルは大量に酒を呑んで既に酔い始めていてうっすら顔が赤くなっていた。カミルは辺りを見回し、酒の進んでいない者、話をしていない者を見つけると率先して向かって話をしていた。 「ああやってドンドン話しかけていくんです。酒が入ってるからいつのまにか社長のペースに乗せられて、ついつい喋ってしまうから不思議です…」 呑んでるカイエンに話しかけたのは、一番最初に話しかけた船員で名前をオーバンと言う。オーバンは今ではカイエンにとっては色々教えてくれる有り難い存在になっていた。 「……オレらって8年前に社長がガストニーになって色々あったんですよ……ヴァンフィールドさんの件で『お前達も金を受け取った共犯者だ』って言われて……その後は碌に金貰えずに働かされていたんです…海賊に仲間を殺されても何も出来なくて…辞めようと逃げ出した奴もいました……でも、殺されるか捕まって酷い罰を受けさせられていました……ガストニーが捕まって社長が変わっても何も変わらないだろうって最初思っていたんです…」 オーバンの話にカイエンは黙って聞いていることしかできなかった。一口酒を飲むとオーバンが話を続けた。     
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