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「ナメられて仕事やってるかよ!オレなりに考えてやってる!!」
相変わらずの喧嘩が続く中、ノックもなくいきなり会社のドアが開く。
「ちょっとは声抑えなさい。結構外にまで声漏れてるから、いかがわしい事してたら外に聞こえちゃうよ」
いきなり来た見知らぬ男性の一言で喧嘩を止めた。カミルとカイエンはハッとして声を発した男性を見た。
オーダースーツを身に纏い、スラリとしていてかなりの高身長だ…サラリと少し長めの髪と瞳は赤みの強い琥珀色をしていた。彫りの深い整った顔つきでこちらを見てニコっとする表情は此処には似つかわしくない程の大人の雰囲気を醸し出していた。
「…どちら様ですか?」
カイエンが聞くが男性は表情を変えず、ただニコニコしているだけだった。三人の中で一人だけ表情を硬くした人物がいた。
「…………兄貴……何しに来た?」
「ーーーえっ!」
カミルの呟いた言葉に驚きカイエンはカミルとその男性を見比べた。よく見ると目元がよく似ていた。
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