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「くどい!………何度も言わせるな、鬱陶しい……」
そう言うとカミルは立ち上がり丘を下りて行こうとした。カイエンは咄嗟に手を伸ばしたが再びパシッ!と軽い音を立てて腕を弾かれた。
「ちょっと待ってください!何をするんですか?何処へ行くんですか?」
そのまま早足で丘を下りて行こうとするカミルを呼び止めた。
「…………お前、もう此処に来るな。エルドラの所へ戻れ」
カミルはカイエンを見る事なく低い声で言ってきた。カイエンは突然の事に声が出なかった。暫く何も言わないのを肯定と取ったのか、カミルは足を進めた。
「………待って下さい!どうしてですか?納得出来ません!納得のいく説明をして下さい!」
カミルを止めようとするが、カミルは足を止める事なく歩いて行く。仕方なくカイエンは走ってカミルを追い越し前に立ち塞がった。
「退け。邪魔だ」
「退きません。どうして私が来るなと言われたのか納得のできる説明をして下さい!説明がない限りここを退くつもりはありません!」
「兄弟の問題に初対面のお前が関わるな。それだけだ」
「では!ルンハルトさんと何があったのですか!教えてください!」
「お前には関係ない!」
「しかし!……」
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