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そう言ってカイエンがニコッと笑う。エルドラも年上のカイエンを兄の様に信頼しているので、多少の小言では怒らない。
「さて、今日この後は商談も兼ねた会食が入っております。準備が整っているようでしたら車を準備しますが…如何ですか?」
「ああ…頼む」
「畏まりました」
カイエンは一礼すると、車を準備する為に部屋を出て行った。車に向かいながらこの後やるべき事がないか考える。
「今日は特に大丈夫そうですね…」
新しい仕事も増えたが、想定の範囲内だ。今日もカイエンの仕事は順調のようだった。
ーーーそして一週間後。
ナギの街にエルドラ、カイエンと会社の持ち主でもあるアスランが到着した。
会社のある場所に行くと一人の男性が立っていた。
少し赤色が混じったような鳶色の髪と瞳。日に焼けた小麦色の肌。体格はかなり大きく、180センチを超えるエルドラよりも大きく体に筋肉がついてこの4人の中では一番厚い身体をしている。しかし、ただガタイがいいという訳でもなく、程よく全身に筋肉が付いている感じがした。
「おーい!こっちこっち!」
その男が手招きして3人を呼ぶ。砕けた言葉遣いからしてエルドラの知り合いの誰かだとカイエンは思った。3人が男の側に行くとエルドラと握手を交わす。
「久しぶりだな…カミル。相変わらずだな」
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