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カミルはそのまま会社に直行した。カイエンの言っていたことが正しければ、まだルンハルトが此処にいるはずだ。
「ルンハルト!」
「お帰り、カミル。思ったより早かったね……兄に対して呼び捨てとは、相変わらず育ちの悪さが出ているね…流石要らない子」
カミルはまだ自分の席で腕を組んで悠々と座っているルンハルトの襟元を両手で掴み強引に立たせた。強引に立たされたルンハルトは表情一つ変えていない。
「これ以上オレに関わるな。どこまでオレの邪魔をすれば気が済むんだ?」
「気が済む?フッ…一生済む訳ないだろうが…。お前は私からあの人を奪ったんだからな。お前の一生なんかあの人に比べたらゴミみたいな物だ…お前は元々要らない子なんだからな…お前の一生でも足りないぐらいだ」
ルンハルトは自分の襟元を掴んでいる腕を払い、反対にカミルの襟元を掴んで締め上げた。カミルより細いとはいえ大柄の男に締め上げられカミルも声が漏れる。
「………ぐっ!」
「言いたい事はそれだけか?」
「………アイツに、……カイエンには手を出すな。オレらには関係ない奴だ。アイツは…此処にはもう来ない。たった今、馘首にして来た。だからアイツには手を出すな……ぐっぅっ!はぁっ…」
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