Katze《カッツェ:猫》

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Katze《カッツェ:猫》

カイエンは来るなと言われていたがナギの街に来ていた。既に仕事の合間に此処に来るのが日課になってしまっていた。 そのまま放置してきてしまった仕事もある。この間の料金問題の喧嘩もルンハルトが来て未解決のままになっている。 いつもの喧嘩ならカミルは『ああっ!もうっ!分かったよ!』と言って文句を言いながらもカイエンの言う通りにしてくれていただろう。 しかし、丘の上での喧嘩は全く別物だった。あの暗く冷たい目。自分の事を『邪魔』『鬱陶しい』『人の領域にズカズカ入ってくる』と言われた上に… 『お前はもう此処に来るな。………エルドラの元に戻れ』 …と、馘首(クビ)を宣告されてしまった。納得できる理由はない。やっぱり直接会って理由を聞かないと気が済まない。しかし、その後に言われた言葉もカイエンの心に引っ掛かり足取りを重たくしている。 『……なら、好きにしろ。オレはもう来るなと忠告はしたからな……』 いつもの自分なら『なら、好きにします』と全くカミルの忠告は全く聞かずにいつもの様に来ていただろうが、あの目や言葉が頭から離れず更に足取りを重たくしていた。     
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