Anfang《アンファング:発端》

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はっきり言うとカイエンの一番苦手なタイプだ。自分とは真逆で感情が表に出る天真爛漫なタイプ。こういうタイプの人とは殆ど付き合いが無いのでどう対応して良いのか困る。 「色々任せてしまいますが…よろしくお願いします」 アスランはもう一度カミルに礼をして『こちらこそ』と二人は握手を交わすが、カイエンはそのまま軽く眼を伏せる程度の挨拶をした。 (今日、この仕事が終われば会うことは多分無いのだから…苦手など思っても一瞬の事だ) あくまでも自分はエルドラの秘書なので、エルドラがナギに来ない限りはもう会うことは無いだろうと思っていた。 「ココで話すのも何なので…中入りますか?」 「そうだな。色々手続きもある事だし…」 4人はそのまま会社の中に入っていった。 会社の中は昔に比べかなり荒れていた。ガストニーは会社を乗っ取った後はより金を稼ぐ為に闇市場への運搬など海賊ギリギリの危ない仕事も引き受けていた…との事だった。 「…思ったより立て直し大変そうだな…大丈夫か?」 「まあ、何とかなるんじゃない?やってみるしかないんだし。こういう会社も色々見て来たからな。最初の内は親父や兄貴にも協力してもらわないといけないけど、何とかなったら後は俺だけで大丈夫だろ」 (何とか…って感じで出来るものか?)     
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