第三章 宴

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 純白の衣装に身をつつみ、すらりと背の高い二人が軽やかに踊る姿は、人々の注目の的となる。 「ほう、なかなかお似合いの二人じゃのう」  酒の入ったグラスを片手につぶやく父の隣で、勇駿は無言で踊る二人の姿を眼で追っていた。  確かにどこから見ても似合いの二人だ。  豪奢な衣装をまとい、他国の王子と踊る阿梨は、船の上で走り回っている自分たちの長とは別人のようだ。  その華やいだ姿を見ていると、嫌でも思い知らされてしまう。   普段は同じように船に乗り、行動し、食事を共にしてはいるが、阿梨は羅紗国の王女なのだ。  いくら一緒に育ってきても、身分が違う。  想いは届かない。胸が灼けるように──苦しい。  その苦しさをまぎらわせるように、勇駿は手もとの強い酒を一気に飲み干した。
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