2+1

16/50
前へ
/185ページ
次へ
「ひとまず、ここらで腹ごしらえをしよ」  中島君に言われる。途中道が混んでいたところもあり、四条烏丸から一時間半ほどかかった。ちょうど昼ご飯を食べる時間だ。 「せやけど、このへんのこと、わからへんな」  私もしらない。 「もう、スタバとかそんなんでもええか?」  少し戻って、スタバでサンドウィッチを食べた。  中島君は少し急いでいて、すぐに車に乗り込んだ。  少し走ってまた、有料道路に乗る。 「早うせな、今日中に帰られへん」  琵琶湖はもう見たのに、どこへ行くつもりだろう。 「言うてへんだ? 琵琶湖を一周するつもりやで」 「ほんまあ」  琵琶湖を一周なんてしたことない。 「どれくらいかかるん?」  中島君は首をかしげる。 「行ったことあらへんもん」  琵琶湖は相当大きい。不安になってくる。 「せやけどな、こないだ、一人で鳥取砂丘に行ってみた時でも、片道五時間ほどで行けたんやんか。休み休みでもやで。琵琶湖の外周が、鳥取までより長いわけないやろ?」  それはそうだと思う。 「砂丘行ったんや。ええなあ」  砂丘には行ったことがない。どんな感じなんだろう。 「砂丘、めっちゃ良かった。なんちゅうか、自分の中にある常識を外してくれる感じ?」  ますます行ってみたくなる。 「今度一緒に行こう」  中島君が言う。 「うーん、行ってみたいけどなあ」  片道五時間は結構遠い。中島君にはあまり気を遣わないから、大丈夫かもしれない。 「そんなら、次の土曜日は?」 「そんな急になん?」 「もう少し暑なったら、砂丘で干からびるで」  ゴールデンウィークには出かけたくないから、予定は入れていない。 「遥さんの家って、外泊とか、無理?」
/185ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1133人が本棚に入れています
本棚に追加