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 風車村についた。  残念なことに、リニューアル工事中だった。オランダにあるような、本当の風車がみえる。周辺は公園になっているようだ。私の好きな煉瓦調で、歩道もデザインされているピンク色のかわいらしい建物もある。外からのぞくだけでも楽しい。 「道路地図に書いてあったんやけどんあ。ついこないだ工事入ったとこや」  看板を見ると、再開は二年後だ。 「気に入ったんなら、できあがったあと、また来たらええやん」  私は頷いた。  二年後の私がどうしてるか想像もつかない。沢村さんと来られたらいいなと思った。『銀行員の友人』を続けていられたら、可能性はあるかもしれない。 「どっちにしても、車を少し休ませたいしな。少し、停まっておけるとこ探そう」  車のことはわからないけれど頷いた。この辺りは、車通りもそれほど多くない。琵琶湖の見える駐車スペースをみつけて、少し休むことになった。  今、二時前だった。後どれくらいかかるのだろう。 「多分、三分の一は過ぎたと思うんやけどな。いや、甘いやろか……」  鳥取よりは近くても、やっぱり結構距離がある。 「せやけどな、こっからが、琵琶湖一周の面白いとこやで、知らん人のブログで読んだ」  なかなかいい加減な情報源に笑ってしまう。 「東岸は、街が多いから……そこまで行けば、夕飯にも困らへんよ」 十五分ほどエンジンを休めて、走り始めた。 少し先にショッピングセンターがあるようなので、寄ることにした。  飲み物やおやつなどを仕入れた。  小学生の頃スキー教室で行ったことのある『マキノ高原スキー場』の看板があった。この辺りは別荘地になっていて、可愛い建物がたくさん見える。
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