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「写真……撮ったんですか?」
沢村さんは頷いた。
「消してください!」
頭を横に振った。
「どうして!」
私は必死で訴える。
「写真は『保険』やもん」
沢村さんは、私をまっすぐに見つめた。
「信用しとるのに、裏切られたらかなんやろ」
笑いかけられた。
「裏切らへんだら済むことやんか。そう、気に病むことちゃうやん」
私が裏切ったら、写真をどうにかするつもりなのだろうか。それは、私を信用していないことにはならないか。
私は気づく。
『保険』というより債権の履行を確保する『担保』のようだ。一応は信用されて融資を受けられたとしても、支払いが滞ったら担保をとりあげられる。
だいたい、どういう行為が『裏切り』にあたるというのだ。私達は『友人』で……友人同士の裏切りなんて、彼氏を取るだとか借りたお金や物を返さないとか、そういうことしか思いつかない。
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