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翌日、私は店長に休み届けを出した。もちろん、菜見子の結婚式に出席するためだ。
もちろん、はいそうですかと受け入れられたわけじゃなかった。
忙しいのにとか、よく休めるものだとか、どんな神経しているのか脳ミソをかき混ぜたいとか、べちゃねちゃべちゃねちゃ言っていたけれど、星屑祭りで見た、光の粒を思い出して、聞いているふりだけしてみた。
「岡本くんも、あんなくだらない、子供だましの祭りになんて行って、みっともないというか自覚がないんだよねえ、君も、パートも、バイトもみんなそうだ」
「じゃあ店長も、お揃いですね」
「はあ?」
「店長室にこもってばかりじゃないですか、忙しいときに限って、いないから」
「バイトになにがわかるんだよ、だいたい、学生ならわかるけれど、もう二十代後半になって正社員じゃないなんて、人間的に欠陥があるからじゃないの?ここでの立場も危ないってこと、俺の采配しだいってこと、ちゃんと……」
店長室の電話がタイミングよく鳴った。
話はまだ終わっていないからな、と私に釘をさし、店長は電話に出た。
さっきから、業務連絡で惣菜売り場の呼び出しがかかっている。
行かなきゃいけないのに、店長は目の前でヘコヘコとお辞儀しながら、調子よく会話している。
本部の人間からだろうか、ここでヘコヘコするなら、店に出てお客様のことを見てほしい、ってパートのお母さんに言われても言い訳か、逆ギレしてばかり。
とはいえ、昨日までの私も店長と、そんなに変わらない。
結婚式のためって休み届けに書いたら、そこを「結婚式なんて、金ばかりかかる。あんなものただの自慢なんだから、俺なら行かないよ」なんてひねくれたことを言っていたのだもの。
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