酒場コーディーズの夜

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「な!」 「どうなのさ」  みるみる顔が赤くなっていくドゥーガルドの体がワナワナと震えていく。それを誤魔化すように、彼は側にあったグラスを掴んで一気に飲み干した。 「あぁ!」 「それ、酒!」  気づいたトレヴァーとコナンが止めるも遅かった。ドゥーガルドの目が僅かにトロンとして、大人しくストンと座った。心なしか、鬣のような金髪も力をなくしたような。 「いいだろうがよぉ。どうせ未使用だよぉ。なんだよ、どいつもこいつも恋人作りやがって。俺だってなぁ…」 「今日は愚痴り出したか」  ゼロスが溜息をつき、初めてのクリフとピアースはどうしたらいいのかとオロオロしている。  だが慣れた面々はもう放置だ。それというのも、ドゥーガルドは酒を飲むと途端にライオンが猫になったくらいに小さくなる。そして、愚痴ったり泣いたりするんだ。大柄な男の、案外可愛い一面だったりする。 「放置で良いのよ、クリフ」 「そうそう、放っとけ。それより俺はさ、ゼロスがずっと気になってるんだよね」  ニヤリとハリーが笑う。だが、それを受けるゼロスもまた余裕だ。こいつも大概動じない。 「お兄さん、最近外泊多いんじゃないかい? 外に恋人ができたんじゃないかって噂だけど」     
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