酒場コーディーズの夜

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「…自分が分からなくなるほど落とされるのは、不安だ」 「「……」」  ランバートもレイバンも、これには絶句するしかなかった。 「ねぇ、それより相手は誰なのさ! 身内?」 「あぁ、言ってなかったか。クラウル様だ」 「「は?」」  こちらはこちらで絶句している。ハリーまでもが口をあんぐり。ドゥーガルドまで若干酔いが覚めたような目をしている。 「クラウル様って…暗府の?」 「他にいるのか?」 「……なぜ」 「あの人に憧れて、好きになった。機会があってどうにかだ」 「……どんな手管だよ、こいつ」  ボリスが若干、素が出始めた。 「畜生! どいつもこいつも春爛漫のお花畑野郎だぁ!」 「ボリス、飲め飲め」 「そういうランバートだって恋人いるじゃんか! なんだよあのイケメン!」 「……やさぐれてるな」 「まぁ、分からなくはないんだけどな」  側のチェスターが並々とボリスのグラスにお酒を注ぎつつ、ランバートと一緒に苦笑した。
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