380人が本棚に入れています
本棚に追加
「…自分が分からなくなるほど落とされるのは、不安だ」
「「……」」
ランバートもレイバンも、これには絶句するしかなかった。
「ねぇ、それより相手は誰なのさ! 身内?」
「あぁ、言ってなかったか。クラウル様だ」
「「は?」」
こちらはこちらで絶句している。ハリーまでもが口をあんぐり。ドゥーガルドまで若干酔いが覚めたような目をしている。
「クラウル様って…暗府の?」
「他にいるのか?」
「……なぜ」
「あの人に憧れて、好きになった。機会があってどうにかだ」
「……どんな手管だよ、こいつ」
ボリスが若干、素が出始めた。
「畜生! どいつもこいつも春爛漫のお花畑野郎だぁ!」
「ボリス、飲め飲め」
「そういうランバートだって恋人いるじゃんか! なんだよあのイケメン!」
「……やさぐれてるな」
「まぁ、分からなくはないんだけどな」
側のチェスターが並々とボリスのグラスにお酒を注ぎつつ、ランバートと一緒に苦笑した。
最初のコメントを投稿しよう!