380人が本棚に入れています
本棚に追加
「ハリー、頼むからその目は…」
「俺もそんな情熱的な求め方されたい。コンラッド、頑張って」
「何を頑張ればいいんだよ!」
明らかに酒ではない赤さでコンラッドが叫ぶが、ハリーも酔ってきたのかいつも以上にお触りが激しい。胸の上に指を置いてクルクルしている。
「お勉強用の本貸したじゃん」
「あれは!! あんな…あれは……俺に何を求めてるんだよぉ」
頭を抱えるコンラッドに、他の面々は「お勉強本?」という疑問を素直に提示している。
「コンラッドが最近読んでる本なんだが……どうやら、激しい系らしい」
「ハリーって、そういう趣味だったの?」
「らしいじゃん」
同室者からこうして情報が漏れていく。ゼロスの言葉にボリスがヒソヒソと疑問をぶつけ、レイバンが呆れたようにしている。
「でもさ、ゼロスってそんなに受けは嫌なの?」
「嫌ってわけじゃ…。逆にお前達は平気なのか? こう…自分の知らない自分に塗り替えられるようで恥ずかしいだろ。最終的に自分が何を考えているのかも分からなくなるし」
「どんだけテクニシャンなんだろう、クラウル様って」
最初のコメントを投稿しよう!