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レイバンの言葉に、ランバートもボリスも頷いている。ゼロスは珍しく今日は墓穴を掘りまくっている。そのうちその一つに入って出てこなくなるんじゃないだろうか。
「…仕事で必要になるテクらしい」
「「あぁ……」」
もう、何も言えなかった。そしてランバートには分かった。仕事熱心なクラウルが仕事で手に入れたテクだ、きっとただ事ではないのだろう。
レイバンはそれでも少し考えている。そして、彼らしからぬ事を言い始めた。
「でもさ、愛情は感じるでしょ?」
「え?」
「ジェイさんもだけど、クラウル様だって男相手にしなくても引く手数多だよ。それがさ、わざわざ男の俺達に手間をかけて繋がるんだから、面倒なんだよ。女性相手なら、そんな手間なんていらない。第一、自分と同じ物ぶら下げてる相手に欲情するってだけで、愛されてるって感じるでしょ」
レイバンの言葉に、ゼロスは言葉をなくしてしまう。レイバンの視線はそのまま、ランバートにも注がれた。
「ランバートはどう思う?」
「勿論感じるよ。ファウストだって俺を選ぶ理由は愛情だって思いたいし、それを確かめるように体を重ねるんだから。だから俺も気持ちがいいし、ファウストも感じてくれる。簡単な事じゃないのに抱き合うっていうのは、その相手じゃなきゃ意味がないって事だと思うけれど」
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