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「おや、ドゥーは本当に何にも知らないんだな。もう一年以上口説かれてるよ」
「一年以上!」
「誰に!」
一年以上も口説かれているなんて、そんな素振りは全然なかったのに。クリフもピアースも驚いてコナンを見るけれど、コナンはドキマギしたままオロオロしている。
「二人は知らなくて当然かな。近衛府のルイーズ先輩だよ」
「ボリス!!」
ようやくボリスの口を手で塞ぐも後の祭り。ドゥーガルドはポカンとしている。
けれどクリフにもピアースにも相手が分からない。まだ来て間もないから、騎兵府の人達でさえちゃんと分かっていないのに他府の人なんて余計に。
「あ、その顔はわかんないか。近衛府副官をしている人でね、見た目にもキラキラしてるよ。フェミニストぽいけれど案外男で挑発的な先輩なんだけれどね」
「そんな人が、コナンの事が好きなの?」
クリフはまじまじとコナンを見てしまう。一方のコナンは顔を真っ赤にして俯いてしまった。湯気が出そう。
「一昨年の年末パーティーでコナンが女装した後だよね、誘われたの」
「あ、アレは違うんだよ! なんていうか、その……」
「一部では有名な話だから気にしなくていいんじゃない? 『ドレス姿が可愛かった。また着て欲しい』って言われたんでしょ」
「「なにそれ!」」
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