春を待ちわびて(クリフ)

5/7
前へ
/42ページ
次へ
「好きなら付き合ってみてもいいだろうよぉ。地位とか、あんま迷わなくても。だいたい、あっちの三人みてみろよぉ。ファウスト様、クラウル様、ジェイクさんだぜ」 「「あ……」」  そう言われると、コナンの気にする相手の地位なんて小さく見える。むしろあの三人が度胸ありすぎる気がするけれど。 「ちっちゃい事だろ?」 「ドゥーもたまにはいい事言うね」  ボリスが感心したように言った。  コナンはそれでも躊躇いがあるのか、モジモジしている。あまり大胆ではなさそうだから、無理に周囲がすすめたら壊れてしまいそうだった。 「コナン、コナンの思う通りでいいと僕は思うよ」 「クリフ」 「色々あるんだから、無理しなくていいよ。今は楽しい事を考えよう」  言えば、コナンは顔を赤くしながらもにっこりと笑った。 「そういうクリフはどうなの?」 「え?」 「ピアースと、いい感じでしょ?」 「!」  ボリスはどうしてこんなに人の事を見ているんだろう。思わず言葉を無くして焦ってしまったら、隣でピアースも赤くなっている。  でも、なんだか様子が変だ。ジッとこちらを見て、その目がとても凜々しい。  向き直ったピアースが、クリフの手を握る。そして、とてもしっかりした声で言った。 「俺は、クリフの事が好きだ」 「!!」     
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

380人が本棚に入れています
本棚に追加