酒場コーディーズの夜

7/12
前へ
/42ページ
次へ
「クリフは凄いよ。衛生兵になるんだって、オリヴァー様の勉強会にずっと出てるんだもん」  側でコナンが素直にクリフを賞賛している。一方のクリフは頭をかいて照れているばかりだ。 「最近、オリヴァー様は第四師団を中心に勉強会をしているんだろ?」  聞いた噂を確かめるようにコンラッドが言う。それにコナンとクリフは頷いたのに、何故か第四のハリーは知らん顔だ。 「ハリー、出てないのか?」 「俺、殿が似合う男だから」 「いいかハリー、第四は怪我人の救護も仕事なんだぞ。勉強会だって少しは出て、苦手な事を克服していかないと…」 「はいはい、コンラッドの説教は今日聞きたくない。いいから俺に膝貸して黙って飲みなよ」  言うが早いか、ハリーはコンラッドの膝の上に子供の様に座ってしまう。これには他の面々がかなり動揺した。  ただ、勘の鋭いランバートやレイバン、ボリス、そしてコンラッドと同室のゼロスは慌てる事もなかった。 「ハリー、あの、これは……」 「なに? 今更照れないでよ。これでも途中までは進んだ間柄なんだから」 「「!!」」  察せられなかった仲間達の動揺が明らかに大きくなる。  コンラッドなど見た事もないような赤い顔をし、動揺しすぎて墓穴を掘っている。そしてハリーは他に牽制するような様子で陣取り、周囲を見回した。     
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

380人が本棚に入れています
本棚に追加