酒場コーディーズの夜

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「ってことで、こいつは俺のだから手を触れないでね」  酒瓶を引っつかんだコンラッドが酒で全てを忘れようとするのを、誰も止められなかった。 「…っていうかさ、最近俺達の周りでも多いよね」  ボリスが声を低くして、ジトッと言う。  既に公認のランバートは動揺も何もしない。そしてコンラッド以外、この話題で動揺するような可愛い奴はいなかった。 「レイバン、恋人できたでしょ」 「できたね」  あっさりと肯定するレイバンだったが、トレヴァーやドゥーガルド辺りの反応が煩い。  ニヤリと笑ったレイバンは、そんな彼らを嘲笑った。 「誰だか当てたら酒奢ってあげる。あっ、既に知ってるランバートとゼロスは却下」  ゲームのような感覚で楽しむレイバンに、第三のメンバーはひたすらオロオロしている。相変わらず彼らはこうした感覚がないらしい。鈍い男の集まりなのか、第三師団。  そんな彼ら以上に動揺しているのがドゥーガルドだ。大柄な体を乗り出すようにしているのに、顔は赤くなっている。酒の影響ではない、彼が飲んでいるのはジュースだ。 「料理府の、ジェイクさん…ですよね?」  そこに一石を投じたのはクリフだ。それに、ボリスも「やっぱり…」とぼやいている。     
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