酒場コーディーズの夜

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「ジェイクさんって、お前が騎士団入った時から何かと世話焼いてる人か?」  当時の様子を思い出すようにトレヴァーが言う。それに、レイバンは何でもなく頷いている。そして、クリフの皿に料理を取り分けている。 「同室だしね。でも、恋人にしてもらったのはわりと最近だよ」 「ジェイクさんって、ちょっと怖くないか? 目つきも鋭いし、なんていうか…」 「トビー、失礼」  ランバートが窘めるが、奴は当然のように「だってよぉ!」と言う。  まぁ、分からなくはない。料理府副長のジェイクは、確かに見た目が少し鋭い。しかも言葉が少ない人物だ。だが、毎日美味しい料理を作ってくれる人でもある。この騎士団の中で料理府に頭の上がる人間なんていない。  一方のレイバンはニコニコしている。こんなに機嫌のいい奴も少し珍しい気がする。 「いいんだ、ジェイさんの事を知ってるのは俺だけで。確かに近寄りがたい感じもするだろうけどさ、実は凄く優しくて努力家で、夜なんてもう…」 「おっ、俺は聞かないぞ! レイバンお前何言い出すんだ、恥ずかしいだろ!」  顔を真っ赤にしたライオン、もといドゥーガルドが大きな声で遮る。レイバンは少しムッとするが、次にはニヤリと笑う。 「ドゥーは立派なモノを持ってるのに、未だ未使用だもんねー」     
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