“I will be in it!”

2/6
前へ
/6ページ
次へ
茶色の天井。 ……どうやら僕は、寝ていたらしい。 上半身を起こす。脚にかかっている水色の羽毛布団。首を右に捻って後ろを見ると、しわしわになった白い枕に、ほんのり明かりをともしているスタンドライト。 寝室だ。 どこからどう見ても寝室だ。誰がどう見ても寝室だ。大抵の人が寝室といったらこんな部屋を思い浮かべるだろう。 というか今は寝室のことなんてどうでもいい。 今は何時だろうか? 時計はどこだろう? ちょうど正面の白い壁に時計がかかっていた。10時……朝の10時か。起きねば。 僕は布団から脚を抜き、立ち上がった。 妙に体が軽いな。気分もいいし。こんな日は外に出たくなる。 そう思いつつ、部屋のドアを開けた。 ちょっと待て? 僕はこんな家は知らない。起きたときも時計がどこにあるかわからなかったじゃないか。 でもなぜだか不思議だと思わない。不安にならないし、むしろさっき思ったように、気分がいい。 なぜだろう? もしかして夢、とか? 急に何を思いつくんだ自分は、だなんて思ってしまったが、そうすれば説明がつく……かどうかはわからないが、納得はいく。夢って、なぜか友達の家にいたり、学校にいたり……ってよくあるし。 こんなに意識がはっきりしている夢なんて見たこともないが…… まあ夢ってことでいいや。考えるの面倒だし。夢なら適当に過ごせばいい。まあ、夢だから何が起きるかはわからないけど。 とりあえず今は外に出たい気分だ。ここが何処なのかもわかっていないが。もしかしたら日本ではないかもしれない。 考え事をして止まっていた足を動かし、僕は玄関へと向かった。 別にそんな広い家ではなかったから、迷うことはなかった。いや、この程度で迷っていたら相当な方向音痴だが。僕はそこまで馬鹿ではない。 そんなくだらないことを考えつつ、僕は玄関のドアを開けた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加