第1話・1幕「禍乱(からん)」

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第1話・1幕「禍乱(からん)」

 天地を創造したのは盤古という巨人である。  世界がまだ闇と液状の混沌だけだったころ、盤古が生まれた。  盤古は気が遠くなるほどの時間をかけ、天にそびえるほどの巨人となっていった。  盤古は9つの姿に変化すると言われ、そのなかのひとつが鬼である。  そして寿命を迎え身が滅びるとき――それぞれの部位が砕け、天高く伸ばした指が天界に、胴体は人間界に、体液は地上を溶かして地下に流れ冥界を創った。  最後に、盤古の涙が空間を裂き、その割れ目に流れこむ。  涙は湖となり、眼球は湖に落ちて陸地となった。  天界、人間界、冥界につづくその4つ目の次元は異界と呼ばれることとなり、物語は、この異界からはじまる――。
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