第2章 猫は至上の生き物です

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私、ではなく俺、と言う松岡に、これが本当は素の彼で、いつも偉そうにしててもやはり年下なんだと気付かされた。 ……結構可愛いとこ、あるんだ。 あれほど苦手意識を抱いていた松岡が、一気に身近になった。 それでもやはり苦手な男には変わりなく、警戒を一段階解いてもいいかな、と思えるくらいだが。 「もらい手、探そう。 見つかるまではうちで三匹、面倒見るし。 それでどう?」 「ありがとうございます!」 勢いよくあたまを下げる松岡に、心臓が一瞬、どきんと大きく鼓動した気がした。 ……ん? いまの、なに? んー、ここのとここの件が気になって寝不足だったし。 体調悪いのかなー? 今日は早く、寝よ。 ――王子様を夢見てる割に、紅夏は鈍い。
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