第1章 家政婦を依頼したら執事が来ました。

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「嘘。 あれ、開かない?!」 何度開けようとしても戸はガツガツと引っかかるばかりで少ししか開かない。 どうも、廊下で積んであった本が崩れ、つっかえ棒の役割を果たしているようだ。 「ヤバい、どうしよう……」 誰かに助けを呼ぶことも考えたが、来るまで待てそうにない。 さっきから、トイレに行きたくて仕方なかった。 「ううっ……」 携帯片手に、内股でもじもじしながら視線が向かうのは窓。 住んでいる家は平屋で、窓から出られないことはない。 「背に腹は代えられないよね……」 ……はぁーっ、でっかいため息をつくと紅夏は、机を乗り越えて窓に手をかけた。 「それで捻挫したんですか!?」 大爆笑する桃谷(ももや)にむっとしたが仕方ない。
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