第1章 家政婦を依頼したら執事が来ました。

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「そうですね」 うんうんと頷きあいながら、家の戸締まりをもっとちゃんとしようなどと紅夏は考えていた。 「まあ、それ以前に先生の場合、また閉じ込められないかが問題ですけどねー。 今回、二度目ですっけ?」 「……三度目」 そう、もう三度目なのだ。 大学入学と同時に祖母から譲りうけたあの家でひとり暮らしを始めて、部屋に閉じ込められたのは今回で三度目。 一度目も二度目も、やはり今回と同じで廊下に積んであったものが崩れ、戸が開かなくなった。 一度目は手元に携帯があったから助けが呼べたものの、二度目はトイレで助けが呼べず。 力ずくでドアを蹴破って脱出し、懲りたはず……だった。 「多すぎ。 いい加減、あの家どうにかしないとダメですよ」 「ですよねー」
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