はじまりの曲

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「再来月の舞台のイベント会場押さえた。 とりあえずこれ会場のパンフ、担当の名刺挟んである」 さっきあたしの頭を叩いたのは会場資料だったらしく驚いているあたしの目の前に差し出す 差し出された資料の表紙の名前を見て、更に驚く 「…え!ここ?ありがとう。って何で宇喜多が?」 会場資料を受け取りつつ、顧客情報を取り扱う情報管理部にいるはずの後輩の宇喜多が何故その仕事をと疑問を口にする 「異動した、渉外担当に今日付け」 「異動?聞いてないんだけど」 「俺も知らされたの一昨日の夜」 宇喜多 雅(うきた みやび) 180センチ越えの長身に、程よく焼けた肌、滅多なことでは表情を崩さないポーカフェイス、凛とした佇まいが老若男女に受けてるらしい 「相変わらず飛ばされてるね」 「もう慣れた、じゃあな」 宇喜多は用件だけを話し終えるとすぐに背を向けて歩き出した
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