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時計の針がチクタクチクタクと時を刻む。地球が滅亡するまであと2時間。ここは世界を変えるために作られた組織。
はるか昔、世界の滅亡を企んだ化学者たちは、ツァーリ・ボンバという史上最大の爆弾を使い、世界を破壊させようとした。しかし、化学者たちはその実験に失敗した。失敗の代償は大きかった。化学者たちはその代償として、身体のほとんどを失った。彼らはキメラになるしか他に方法はなかった。愚かな化学者たちはここで実験を中断すればいいのに、研究を続けた。彼らが導き出した結果がこれだ。
化学者たちは沢山のキメラを作り、そこにツァーリ・ボンバを縮小して組み込んだ。彼らは自由自在に動き回ることの出来る爆弾を作り出したのだ。
地球の滅亡まで、あと10分。あとはキメラを放出し、爆弾のスイッチを押すだけだ。あと30秒。……3、2、1…。ドン!
鈍い衝撃が走り、僕は目を開けた。そこは自室のベッド。いや、ベッドから落ちたのだ。時計を見ると時刻は8時50分。
「遅刻だ!」
僕は叫びながら、パジャマ姿のまま家を飛び出した。そう、今日は期末試験の最終日。僕の苦手な化学だ。
チクタクチクタク。
テスト開始まであと10分。
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