プロローグ

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あれは中学生の時だった。 クラスでいじめが発生した。 女子が悪乗りで地味な子をからかってる。 笑い声がする。 うるさくて、周りに聞こえる様な。 助けないと…。 確か、吹奏楽部に入ってて、定期演奏会が控えてるっけ? 俺はその子を助けるべく、勇気を出して行動に出た。 「やめろよ」 がしっ、とグループのリーダー格にあたる子の腕を掴む。 ちっ、と舌打ちをし、一斉にその子から離れた。 「ありがとう…」 その子は掠れた小さい声で礼を言った。 幸いにも教育委員会や第三者による調査の結果、いじめは認定されたが代償があまりにも大きかった。 そう、彼女は定期演奏会を以て吹奏楽部を退部し、別の学校に転校した。 あれから2年。 俺達は、高校生になったーー。
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