1話 ーさいかいとであいー

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退屈だった入学式が終え、わたしは教室に戻った。 入学式で印象に残ったのは…、吹奏楽部による演奏。 確か、定番になってる桜ソングだっけ? 桜がまだ咲かないのに、意味がない様に感じた。 「帰りどうするー?」 何処かで聞いた声がした。 気のせいだ。 バスと徒歩で計1時間もかかるこの学校で、新しい友達が出来るのかな…? 指がもじもじしてて、落ち着かない……。 「あんれぇー、地味な娘(こ)はっけーん♪」 馴れ馴れしい言動で私の前に現れた。 いやだ、嫌な思いはしたくない……。 「いじくったりしないよ。あたしの名前は姫宮 莉奈(ひめみや りな)。よろしくね♪」 よかった…。 悪い人じゃない。 「あんた…、確か春日野 柚子だよね?」 「へっ?」
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