3、この呪いが解けたなら

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 初めて本音を話してくれた──梨々花はそう思うと緊張してしまって、どう答えていいかわからなくなる。たぶん、親しい友達にも言えずに隠してきたことなのだろう。 「めんどくさい男だろ? リリちゃんいい子だし、もっと楽につきあえる相手にしなよ。大和とか蓮とか、近くにもいい奴いるじゃん」  背中を向けられているので、竹下がどんな顔をしているのかわからない。声は笑っているが、なんとなく顔は笑っていないような気がした。 「あたしは先輩がいいの!」  考えるより先に体が動いていた。梨々花は立ち上がり、竹下の背中に体当たりするような勢いで抱きついた。逃げられないようにがっちり両手をまわす。 「うわ、ほっそい腰!」  思わず声を上げた梨々花に、竹下は笑い出した。 「何その感想」 「だって先輩、あたしより細い……」 「そんなわけないでしょ。骨格違うし」  梨々花はまわした腕に力をこめる。 「苦しいって。あと、ごめん、胸あたってる」 「あててるの!」  赤面しながらも、梨々花は抱きついたまま言った。 「意識してもらいたいから。好きだから」  竹下に悪い元カノ達の呪いがかかっているなら、梨々花はそれが解けるように全力で戦い続けるしかない。  竹下はふうっと大きく息を吐いて、梨々花の小さな手を包みこむように自分の手を重ねてぎゅっと握った。 「リリはおバカちゃんだな」
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