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「私は、ひろと結婚できない!
ごめんね!」
私は、聞いていいものかどうか迷ったが、どうしても聞きたいという欲求が勝ってしまった。
「なぜ、僕と結婚できないの?」
また少し沈黙してから、裕子が静かな落ち着いた声で話し始めた。
「ひろには申し訳ないけど、私には別に好きな人がいるの…」
この話しを聞いた私は、相手が誰なのか聞きたい衝動に駆られたが、これ以上聞くと自分自身が傷つきそうで、これ以上の追及はやめることにした。
「そうか…」
私は、ぼそっと言葉を発した。
私は、何も話す気にはなれなくて、沈黙してしまった。
お互いに重苦しい雰囲気になって、この雰囲気に耐えられなかったのか、裕子が話し始めた。
「ひろ、怒ってる?」
「いいや、怒ってないよ!」
私はできる限り平静をよそおって、裕子に返事をした。
でも私の心の中はとても動揺していて、これ以上裕子と一緒にいるのが辛い状況になっていた。
その後は、お互いに言葉を発することができず沈黙が続いたが、食事を終えたところで居酒屋を出た私は、裕子に帰ると伝えて裕子とはお別れした。
この日以降私から裕子に連絡することはなく、裕子からの連絡もなかったため、裕子と会うことはなくなってしまった。
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