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「史朗 遼太郎(しろう りょうたろう)!また授業聞いてなかったでしょー」
帰宅しようと席を立った途端、ふいに背後から声をかけられた。俺に声をかける奴なんて、そうそう居ない。しかも、女子となったら、アイツしか居ない。
「透子(とうこ)」
振り返った視線の先には、髪を一つに束ねた小柄な少女が仁王立ちして、俺を睨んでいた。
「わかってんの?次、赤点とったら、遼太郎。アレ、辞めさせられちゃうんだよ?」
透子は、うちの向かいに住む地主の孫娘だ。ようするに、幼なじみ。
「別に構わない。もう、どーでもいいから……」
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