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風に吹かれて
私が赤色に黄色い字の看板が目印のファストフード店の横を通り過ぎた直後だった。
少し色あせたジーンズ、少し裾の長い白い服を着た
若い男が駅の方から歩いてきた。
え、あっ、彼だ。
彼だとわかった瞬間、ドキっと少し嬉しい緊張を覚えた。のと同時にわっ、と口が開き、私は驚いた表情を隠すために彼が歩いてくる方向と反対側に顔を向けた。
まさかこのタイミングで…
全く予想していなかった訳ではないが突然の出来事に内心焦っていた。
呼吸を整え駅ビルに向い、私は徐々に落ち着いてきた。そして、別れた彼と偶然遭遇したことは今回が初めてではないことを思い出した。
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