1人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は残留思念の集まり。
だからなのだろう。
一人娘である、長女が高校生になった頃…
その時起こった出来事は、記録を観なくても、なんとなく見たくない記録だと解ってしまったのだ。
その1つに触れた時、目の前にニュースの映像が映し出された。
【高速道路上で土砂災害による大規模な追突事故。死者6名、重軽傷者7名、行方不明者1名。】
その次の映像は、付けたばかりの僕の車のドライブレコーダーの画像だった。
突然の土砂に前を走る大型トレーラーが崖下に押し出され…僕の車は走行車線から土砂を避けようとした車に左後方部から押し出され…土砂の濁流に飲まれた。
家族を守ろうと、咄嗟にシートベルトを外す事に成功した僕は…僕だけが…
車から投げ出され、崖下まで柔らかな土砂に流され、奇跡的に一命を取り留めたのだ。
運転していた妻と、後部座席に居た娘は…
後日、土砂の中から引き上げられた愛車の中から発見された。
…どうりで、ココから先、記録の数が少ない訳だ。
そう、自分を納得させながら、僕は泣いていた。
「…思い出せマシタカ?」
「…あぁ、忘れたくても忘れられない。コレだけは…忘れる訳が無い!この日!僕は一人になった!僕は…僕は……この日から……」
logはその後、何も言わず、ただ僕が泣きじゃくるのを静かに、ただ静かに見守るだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!