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【録画】
「ちゃんと撮れてる?」
「大丈夫…だと思う。」
「もぅ、頼りないなぁ。これからパパになるのよ?もっとしっかりしてくれないと。ほら、亜利沙ちゃん、パパでちゅよー?」
「まだ見えないだろ?」
「見えて無いけど、聞こえてはいるんだから、貴方ももっと喋ってあげて!お腹に居る時もあんまり話しかけてくれなかったんだから。」
「いや、だってそれはちょっと…恥ずかしいって言うか…」
「ほら、もっと寄って!話しかけながら、可愛く撮ってあげて!」
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カメラが寄ろうとした瞬間、映像が不意に途切れる。
気付くと、また目の前にはlogだけが居た。
「今のは貴方の奥様と娘さんデスよね?」
一瞬の間を置き、僕はlogに答える。
「…あ、あぁ、今でも忘れない。忘れる訳が無い!アレは、僕の長女が産まれた時の…」
言って、僕は声が出る事に驚いた。
「間違い無さそうなので、先に声を媒体から貴方にインストールしておきマシタ。コレで私と会話による質疑が執り行えマス。まずは質問があれば、お聞きしマスが?」
そう言われ、僕は声が出せた事に安心したのか、自分でも信じられないくらいの勢いで、logに次々と質問を浴びせた。
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