1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ハイ。貴方の奥様や娘さんの残留思念も、今は活動していませんが、勿論存在しマス。ただ、いつ頃活動するか…つまり、いつ本人が死ぬか、或いは死んだかは直接お教え出来ませんし、一緒に活動する事も出来ません。ソコはプライバシーに関わりマスので。」
記録の世界で残留思念がプライバシーを気にする事に、僕は改めて感心した。
個人情報は、やはり守られるべきなのだ。
それから少しの間を置いて、logは改めて僕に聞いた。
「さて、一通り御理解頂けたようなので、改めて確認しマス。記録を整理シマスカ?人によっては大変、残念な人生を歩まれる方もございマスので、辛い記憶や人生を整理せずに次の貴方に引き継ぐ事も可能デス。その場合、愛する方達とも縁が無くなり、全くの別人としてリスタートする形になりマスが?」
「…逆に言うと、妻や娘との縁を残せば…来世…って言って良いのか?その来世で会える可能性もあるって事か?」
すると、logは僕の問いかけにあっさりと答えた。
「会える補償は致しかねマスが、整理をされる方の大半は、ソレを望んで整理されているようデス。」
しばらくの沈黙のあと、僕はlogに記録の整理をするように申し出た。
もう一度、妻と娘に会うために。
最初のコメントを投稿しよう!