-log-

8/17
前へ
/17ページ
次へ
「ハイ。貴方の奥様や娘さんの残留思念も、今は活動していませんが、勿論存在しマス。ただ、いつ頃活動するか…つまり、いつ本人が死ぬか、或いは死んだかは直接お教え出来ませんし、一緒に活動する事も出来ません。ソコはプライバシーに関わりマスので。」 記録の世界で残留思念がプライバシーを気にする事に、僕は改めて感心した。 個人情報は、やはり守られるべきなのだ。 それから少しの間を置いて、logは改めて僕に聞いた。 「さて、一通り御理解頂けたようなので、改めて確認しマス。記録を整理シマスカ?人によっては大変、残念な人生を歩まれる方もございマスので、辛い記憶や人生を整理せずに次の貴方に引き継ぐ事も可能デス。その場合、愛する方達とも縁が無くなり、全くの別人としてリスタートする形になりマスが?」 「…逆に言うと、妻や娘との縁を残せば…来世…って言って良いのか?その来世で会える可能性もあるって事か?」 すると、logは僕の問いかけにあっさりと答えた。 「会える補償は致しかねマスが、整理をされる方の大半は、ソレを望んで整理されているようデス。」 しばらくの沈黙のあと、僕はlogに記録の整理をするように申し出た。 もう一度、妻と娘に会うために。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加